産後3か月の授乳変化とは?胸が柔らかくなる理由と赤ちゃんの飲み方の変化、対処法
出産から2か月半から3か月ほど経ったころ、授乳中の多くのお母さんが、戸惑うような変化を感じます。授乳の間も胸が張らず、ずっと柔らかいまま。赤ちゃんは授乳中にぐずったり、乳首から口を離して周囲を見回したりします。以前は20分から30分かかっていた授乳が、5分から7分ほどで終わることもあります。
「母乳が出なくなってきたのでは?」と心配になるのは自然なことです。インターネットで調べると、「3か月授乳クライシス」や「産後3か月で母乳量が減る」といった体験談も見つかります。
ただ、多くの場合、これは母乳量が減ったサインではありません。赤ちゃんと体が、より効率よく授乳できるようになった結果であることがほとんどです。
3ヶ月 授乳 クライシスとは?母乳に起きている変化
3ヶ月 授乳 クライシスとは?
「3ヶ月 授乳 クライシス」とは、授乳 3ヶ月前後に起こりやすい、母乳育児の自然な変化を指す言葉です。時期には個人差があり、10週ごろに気づく人もいれば、14週から16週ごろに変化を感じる人もいます。
この時期は、赤ちゃんの成長が加速する「成長スパート」と重なることもあります。そのため、授乳の様子が急に大きく変わったように見える場合があります。
よく見られる変化は、次のとおりです。
- 授乳と授乳の間に、乳房が張らなくなる。
- 母乳が漏れることが少なくなる、または止まる。
- 赤ちゃんが授乳を始めたあと、乳房でぐずる。
- 授乳時間が急に短くなる。
- 授乳 5分で 終わることがあり、赤ちゃんは満足したように見える。
- 夕方から夜にかけて、また頻回授乳になる。
- それまで落ち着いて飲んでいた赤ちゃんが、何度も口を離す、周囲を見つめる、気が散るといった様子を見せる。
生後間もないころに感じていた乳房の張りを覚えていると、この変化はとても不安に感じられます。しかし、乳房が柔らかくなったことだけで、母乳不足とは判断できません。
胸の張りがなくなり、乳房が柔らかくなる理由
産後しばらくの間は、ホルモンの働きによって母乳が作られる割合が大きくなっています。体は赤ちゃんがどれくらい飲むのかをまだ把握できていないため、必要以上に母乳を作ることがあります。その結果、授乳と授乳の間に母乳が乳房へたまり、張りや硬さ、時には痛みを伴うほどの張りを感じます。
これは、母乳を多めに作りながら授乳のリズムを整えていく段階です。乳房は赤ちゃんに必要な量をまだ学習中で、余分な母乳も蓄えているのです。
産後3か月ごろになると、母乳の分泌は次第に「需要と供給」の仕組みに移行します。母乳がどれだけ乳房から出ていったかに応じて、次に作られる量が調整されるようになります。これを、母乳の供給調整と考えることもできます。
つまり、乳房に大量の母乳をためておく必要がなくなり、赤ちゃんが吸うことに合わせて母乳が作られる状態になります。乳房が柔らかくても、母乳を作る働きが止まったわけではありません。母乳は授乳中も作られており、赤ちゃんが吸う刺激によってさらに分泌が促されます。
「なぜ母乳が柔らかくなったの?」と感じる場合、多くは、体が赤ちゃんの飲み方を覚え、必要以上に母乳を作ってため込まなくなったからです。乳房 柔らかく なった 授乳という変化は、母乳の分泌がうまく調整されているサインでもあります。
赤ちゃんの授乳が上手になり、飲む時間が短くなる
生後1か月ごろの赤ちゃんは、口や舌の動き、吸う力、体力がまだ発達途中です。そのため、1回の授乳に20分から30分かかることも珍しくありません。
生後3か月の赤ちゃんは、飲み方そのものが変わっています。口や舌の動きが発達し、吸う力も強くなっています。吸う、飲み込む、呼吸するという一連の動きがよりスムーズになり、短い時間でしっかり母乳を飲めるようになります。
生後1か月のときに20分から30分かかっていた量を、生後3か月では5分から10分ほどで飲み終えることもあります。時計で分かるのは授乳にかかった時間であり、赤ちゃんが飲んだ母乳の量そのものではありません。
そのため、授乳時間 短く なった、あるいは授乳 5分で 終わるというだけで、問題があるとは限りません。赤ちゃんが元気で、おしっこが十分に出ており、多くの授乳後に満足している様子があり、体重も増えているなら、短時間の授乳で足りている可能性があります。
最初の数分でたくさん飲み、満足して口を離す赤ちゃんもいます。一度休憩してから、同じ側の乳房をもう一度飲む赤ちゃんもいます。授乳は、いつも決まった時間どおりに進むものではありません。
赤ちゃんが急に授乳中にぐずる理由
生後3か月ごろになると、赤ちゃんの周囲への関心が一気に広がります。壁に映る光、きょうだいの声、近くを歩く犬、そばで振動するスマートフォンなど、ちょっとした刺激で授乳を中断することがあります。
1分ほど吸ったあとに顔をそむけ、笑ったり周囲を見たりしてから、また吸い始めることもあります。
この様子を見て、「赤ちゃん 授乳 いやがる 3ヶ月」と検索したり、授乳拒否ではないかと心配したりする人もいます。真の授乳ストライキは、何回もの授乳で急に母乳を拒み続ける状態です。体調不良、痛み、鼻づまり、歯ぐずり、環境の変化などが関係していることもあります。
一方、静かな場所では問題なく飲める赤ちゃんであれば、授乳そのものを拒否しているのではなく、発達の一段階として気が散っている可能性が高いでしょう。
次のような工夫を試してみてください。
- 静かで少し暗い部屋で授乳する。
- 赤ちゃんが空腹で泣き出す前に授乳する。
- 昼寝のあとなど、落ち着いているタイミングを選ぶ。
- テレビや会話など、周囲の音や刺激を減らす。
- 赤ちゃんと肌と肌を触れ合わせながら授乳する。
この時期の授乳は、口を離したり、また吸い始めたりして、落ち着かないこともあります。赤ちゃんは周囲の世界に興味を持ち始めただけで、母乳を困らせようとしているわけではありません。
夕方の頻回授乳はよくあること
夕方から夜にかけて、赤ちゃんが何度も母乳を欲しがることがあります。授乳して少し休み、ぐずって、20分後にはまた飲みたがる。こうした授乳を「クラスター授乳」や「頻回授乳」と呼びます。
すでに疲れている時間帯に続くため、お母さんにとっては負担が大きく感じられます。しかし、頻回授乳は、乳房が空っぽだから起きるとは限りません。赤ちゃんが1日の摂取量を調整したり、安心感を得たり、まとまって眠る前にしっかり飲んだりするための、よくある行動です。
頻繁に母乳が出ていくことで、体に「次の日もこのくらい必要」という刺激が伝わることもあります。数日間の成長スパート中は、特に授乳回数が増えることがありますが、多くの場合は徐々に落ち着きます。
授乳のそばに飲み物や軽食を用意し、楽な姿勢を作っておきましょう。食事や洗濯、上の子のお世話などを家族に頼めると、負担が軽くなります。
この時期にお母さんが不安になる理由
不安になるのには、理由があります。産後数週間は、朝起きると乳房が石のように硬くなっていたり、母乳パッドが濡れていたりすることがありました。母乳がたまっている感覚を、はっきり感じられた人も多いでしょう。
ところが今は乳房が柔らかく、赤ちゃんは短時間で飲み終わります。家族や周囲の人から「母乳が止まったんじゃない?」と言われると、ますます心配になります。
インターネット上の情報や他の人との比較も、不安を強めることがあります。乳房が張っていることを母乳が足りている証拠だと思ったり、搾乳で取れた量を比べたりすると、正常な変化まで問題のように感じてしまいます。
ただし、搾乳器で取れる量は、母乳の総量を正確に示すものではありません。母乳を飲むのが上手な赤ちゃんは、搾乳器よりも効率よく母乳を飲み取れることがあります。
産後すぐの状態と、3か月ごろの状態をそのまま比べる必要はありません。授乳の目標は、乳房をいつも張らせておくことではなく、お母さんが過度な痛みを感じず、赤ちゃんが必要な量を飲めることです。
「念のため」のミルクが母乳量に影響することも
「母乳量 減る 原因は何だろう」と不安になったとき、授乳のあとに「念のため」と粉ミルクを足すことがあります。医師や助産師の判断でミルクを補うことは、必要な場合があり、決して悪いことではありません。
注意したいのは、母乳を飲む機会をミルクに置き換えたまま、乳房への刺激が減ってしまうことです。母乳は、赤ちゃんが吸う、または搾乳することで乳房から出ていく量や回数が、分泌の調整に関係します。
授乳の代わりに毎回ミルクを与えると、乳房に届く刺激が少なくなり、時間とともに母乳の分泌量が減ることがあります。その結果、「やはり最初から母乳が足りなかった」と感じてミルクを増やし、さらに授乳回数が減るという循環になる場合があります。
医師、助産師、保健師、小児科医、母乳育児相談の専門家から補足を勧められた場合は、母乳の分泌を保つ方法も一緒に相談しましょう。授乳をミルクに置き換えるときに搾乳を行うことが、計画の一部になる場合もあります。
乳房の張りがなくなったことや、授乳時間が短くなったことだけを理由に、大きな変更をする必要はありません。
母乳の分泌を保つためにできること
母乳の分泌を支える基本は、母乳を定期的かつ効果的に乳房から出すことです。多くの赤ちゃんにとっては、時間を厳密に決めるより、欲しがるサインに合わせて授乳するほうが自然です。
役立つ習慣には、次のようなものがあります。
- 赤ちゃんが欲しがるサインに合わせて授乳する。 生後数か月の赤ちゃんは、24時間で8回から12回ほど授乳することがあります。ただし、回数には個人差があります。
- 授乳を習慣的に省略しない。 外出などで授乳できないときや、授乳をミルクに置き換えるときは、搾乳によって乳房への刺激を保てる場合があります。
- 1回の授乳で両方の乳房を提案する。 まず片側を赤ちゃんが自然に離すまで飲ませ、その後に反対側を勧めます。両方飲む赤ちゃんもいれば、片側だけで満足する赤ちゃんもいます。
- 吸着を確認する。 赤ちゃんが乳首だけでなく、乳輪もある程度含んで深くくわえられると、痛みが少なく効率よく飲めます。
- 母乳の流れが弱くなったら乳房を軽く圧迫する。 眠そうな赤ちゃんや気が散っている赤ちゃんが、もう少し飲み続けやすくなることがあります。
- 夕方の頻回授乳を必要以上に心配しない。 夕方に何度も授乳することは、母乳育児に失敗しているサインではありません。
- 規則正しく食べ、喉の渇きに合わせて水分を取る。 水やお茶、牛乳などを含めて、1日に2.5から3リットル程度の水分を取る人もいますが、無理に大量の水分を飲む必要はありません。
- できる範囲で休む。 休めば自動的に母乳が増えるわけではありませんが、疲労が強いと授乳や自分のケアが難しくなります。
ハーブ製品や母乳に良いと宣伝されるお茶、いわゆる母乳サプリや母乳を増やす食品が、必ず安全で効果的とは限りません。試したい場合は、先に医師や助産師などの専門家へ相談してください。
赤ちゃんが十分に母乳を飲めているか確認する方法
乳房の張りや、乳房をくわえている時間だけでは、母乳が足りているかどうかは判断しにくいものです。赤ちゃんの様子を全体的に見ていきましょう。
次のような状態であれば、授乳はおおむね順調に進んでいると考えられます。
- 新生児期を過ぎたあと、24時間に6回以上のおしっこが出ている。
- 便が定期的に出ている。ただし、月齢によって回数にはかなり個人差がある。
- 起きている時間に、赤ちゃんが元気に反応している。
- 筋肉の張りがあり、皮膚の色が健康的である。
- 多くの授乳で、少なくとも一部の時間にごくごくと飲み込む音が聞こえる。
- 授乳後に体の力が抜け、満足した様子を見せる。
- 健診などで体重が少しずつ増えている。
この時期に母乳不足が疑われる場合、乳房の感覚よりも、体重の増え方のほうが参考になります。一般的な目安として、1週間に150グラム未満しか増えていない場合は、相談が必要になることがあります。ただし、出生時の体重や成長曲線などによって評価は変わります。母子健康手帳の成長曲線も参考にしながら、小児科医や助産師に確認してもらいましょう。
早めに医療機関へ相談したいとき
赤ちゃんに次のような様子がある場合は、小児科医やかかりつけの医療機関へ相談してください。
- 24時間のおしっこが6回未満である。
- 健診で体重が増えていない、または減っている。
- ぐったりしていて、授乳のために起こしにくい。
- 口の中が乾いている、尿の色が濃いなど、脱水が疑われる。
- 頭のてっぺんにある大泉門がへこんでいる。
- 授乳を長く拒否する、繰り返し吐く、発熱がある、呼吸が苦しそうなどの症状がある。
このような症状には、適切な診察が必要です。「3か月ごろの授乳の変化だから」と、すべてを自然なものとして済ませてはいけません。
母乳不足が心配な場合は、助産師、保健師、小児科医、IBCLC、母乳育児相談に対応している医療者などに相談しましょう。授乳の様子を見てもらうことで、赤ちゃんのくわえ方、母乳の飲み取り方、体重の推移を確認できます。ミルクの補足や搾乳が必要かどうかも、状況に合わせて一緒に考えてもらえます。
まず覚えておきたいこと
胸の張りがなくなったからといって、母乳が空になったわけではありません。授乳が短時間で終わっても、効率よく飲めていることがあります。生後3か月の赤ちゃんが授乳中に気を散らしても、母乳を拒否しているとは限りません。夕方の頻回授乳も、母乳が足りない証拠とは限りません。
授乳 3ヶ月の時期には、体が産後早期のホルモン中心の分泌から、赤ちゃんの飲み取りに合わせた仕組みへと変化します。これが、母乳 供給 調整 3ヶ月にあたる時期です。赤ちゃんも吸う力が強くなり、短い時間で効率よく飲めるようになります。その一方で、周囲の世界への興味も増していきます。
急な変化に見えても、多くの場合は母乳育児が次の段階へ進んだサインです。乳房の大きさや張りではなく、赤ちゃんのおしっこ、機嫌、飲み方、体重の増え方を見ていきましょう。
赤ちゃんが欲しがるときに授乳を続け、客観的なサインから問題が疑われるときには、専門家の力を借りてください。多くの家庭では、いわゆる「3か月の危機」は、親子が新しい、より効率的な授乳リズムに慣れるにつれて落ち着いていきます。
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