生まれてからの8週間は、授乳、おむつ替え、洗濯、寝かしつけの繰り返し。温かいお茶をゆっくり飲める日はまた来るのかな、と感じることもあるでしょう。そんな毎日のなかで、ある日ふと赤ちゃんがこちらを見つめて、にっこり笑う。お腹のガスによる反射ではない、呼びかけに応えたような笑顔です。その瞬間を、ずっと忘れられないという方は少なくありません。
生後2ヶ月の赤ちゃんは、まだまだ大人のお世話が必要な時期です。それでも、眠っていることが多かった新生児期とは少しずつ表情が変わってきます。手足の動きがなめらかになり、目で人の顔を追い、声に反応して「あー」「うー」と声を出したり、足をばたばたさせたりすることも増えてきます。
発達のペースには大きな個人差があります。ここで紹介する生後2ヶ月の発達は、できているかどうかを比べるための基準ではなく、日々の変化を見守るための目安です。早産だった赤ちゃんは、修正月齢で発達をみることがあります。不安なことがあれば、かかりつけの小児科や自治体の保健師、乳幼児健診で相談してください。
夜中の授乳中に「2ヶ月 赤ちゃん できること」と検索した経験がある方もいるかもしれません。生後2ヶ月になると、赤ちゃんは身の回りの人や音、光に少しずつ関心を向け始めます。その反応は小さくても、親にとってはとても個性的に感じられるものです。
赤ちゃん 2ヶ月頃には、次のような様子がみられることがあります。
もちろん、授乳、睡眠、おむつ替えはまだ生活の中心です。けれど、生後2ヶ月の発達では、お世話をするだけでなく、赤ちゃんとの「会話」のような時間が生まれ始めます。
赤ちゃんの体は、見えないところで毎日ぐんぐん変化しています。首、肩、腕、お腹まわりの筋肉が少しずつ育ち、新生児期に目立った反射的な動きも、ゆるやかに変わっていきます。
2ヶ月 赤ちゃん 首すわり 目安として気になる方も多いでしょう。この時期は、首が完全にすわる前の段階です。見守りながらうつぶせにすると、多くの赤ちゃんは45度ほどまで頭を持ち上げ、数秒間保てるようになってきます。
すぐに顔がマットに戻ってしまっても問題ありません。ほんの少し持ち上げられただけでも、首や背中の筋肉を使う大切な練習になっています。
うつぶせの姿勢で、ひじを肩の下あたりにつき、腕で少し体を支えようとすることもあります。こうした力は、今後の寝返り、おすわり、はいはいにつながっていきます。
2ヶ月 赤ちゃん うつぶせ 遊びは、長時間頑張る必要はありません。短い時間を1日に何回か取り入れれば十分です。たとえば、次のような方法があります。
うつぶせ遊びは必ず大人がそばで見守ってください。眠るときは、必ずあおむけに寝かせることが基本です。
新生児期は、手足が急にぴくっと動いたり、びっくりしたように両腕を広げたりすることがよくあります。生後2ヶ月頃になると、こうした動きに少しずつなめらかさが出てきます。
話しかけると足をリズミカルに蹴ったり、腕を大きく振り回したりすることもあるでしょう。まだ思い通りに動かせるわけではありませんが、「あっちに手を伸ばしたい」「口に手を持っていきたい」といった意図の芽生えが見えることもあります。
ぶら下がったおもちゃに向かって腕を伸ばしても、まだ届かないことがほとんどです。それでも、一生懸命な姿は成長の途中ならではのかわいらしさがあります。
新生児期にぎゅっと握られていたこぶしが、少しずつゆるんできます。2ヶ月 赤ちゃん 手の動きとしては、機嫌がよいときに手のひらを開いている場面が増えるのが特徴です。
指を握る反射はまだ残っており、大人の指を驚くほど強くつかむこともあります。その一方で、手を顔の前に持っていって眺めたり、偶然おもちゃに触れたりするようにもなります。
この時点では、自分の手でおもちゃを動かしたことを理解しているわけではありません。けれど、手と目、体の動きがつながっていく準備はすでに始まっています。
生後2ヶ月になると、出生直後に比べて起きて過ごす時間が増えたと感じる家庭も多いでしょう。授乳後に目を開けて周囲を眺めたり、機嫌よく声を出したりする時間が出てきます。
生後2ヶ月 睡眠時間 目安には個人差がありますが、1日の大半を睡眠にあてる赤ちゃんも珍しくありません。昼寝は短く分かれ、夜も授乳のために何度か起きることが一般的です。夜にまとまって眠る子もいれば、まだ細かく起きる子もいます。
2ヶ月 赤ちゃん 授乳 間隔も、母乳かミルクか、赤ちゃんの体重増加や飲み方によってさまざまです。時間だけで区切るより、赤ちゃんの空腹サインやおしっこ、機嫌、2ヶ月 赤ちゃん 体重 増加の様子を見ながら、必要に応じて小児科や助産師に相談しましょう。
眠くなるサインには、あくび、ぼんやり一点を見つめる、顔をこする、ぐずる、視線をそらすなどがあります。時計よりも赤ちゃんの様子を目安にすると、寝かしつけのタイミングをつかみやすくなります。
生後2ヶ月 視力 発達は、最初の数週間と比べて大きく進みます。まだ大人のようにくっきり見えているわけではありませんが、顔、コントラストのはっきりした模様、動くものに興味を示すようになります。
赤ちゃんは、顔やおもちゃ、白黒のカードなどを、左右にゆっくり動かすと目で追えることがあります。生後2ヶ月頃には、体の片側から反対側まで、広い範囲を視線で追える赤ちゃんも増えてきます。
起きていて機嫌のよいときに、大人の顔を赤ちゃんの前でゆっくり左右に動かしてみましょう。目だけでなく、顔ごと少しずつ向けようとすることもあります。特別なおもちゃがなくても、親の表情そのものが楽しい遊びになります。
生後2ヶ月頃の赤ちゃんは、日常的にお世話をしてくれる人の顔を少しずつ覚えます。抱き上げると落ち着く、顔を見ると表情が明るくなる、じっと見つめるといった反応がみられるかもしれません。
赤ちゃんは顔の形だけでなく、表情、におい、抱っこの感触、声の響きなどをまとめて覚えていきます。毎日そばにいる人は、赤ちゃんにとって安心できる存在になっていきます。
この時期の赤ちゃんは、白黒や赤、黄、青など、はっきりした色やコントラストの強い模様を見つめやすい傾向があります。無地の壁より、しま模様のカードや柄のある服に視線を向けることもあるでしょう。
部屋を刺激の多いおもちゃでいっぱいにする必要はありません。カラフルなガーゼ、絵本、窓から見える木々や空など、身近なものだけでも赤ちゃんにとっては十分な発見になります。
赤ちゃんはお腹の中にいる頃から音を聞いています。生後2ヶ月になると、その反応がよりわかりやすくなってきます。親の声、きょうだいの笑い声、いつも聞こえる生活音などが、赤ちゃんの耳に少しずつなじんでいきます。
生後2ヶ月頃には、横から聞こえた声や音に気づき、そちらへ顔を向けようとすることがあります。ベッドの横から話しかけたとき、声のするほうを探すように目を動かすこともあります。
聞き慣れた声には、泣き止む、表情がやわらぐ、手足を動かして喜ぶなどの反応が出ることがあります。初めて聞く声に対しては、じっと観察するような表情を見せることもあるでしょう。
子守歌や静かな音楽、テレビから聞こえるいつもの声に耳を傾ける赤ちゃんもいます。親が少し音程を外して歌っても、赤ちゃんにとっては大好きな声かもしれません。
テレビ、スマートフォン、スピーカーなどの音量は控えめにしましょう。赤ちゃんの耳はとても敏感です。大きな音より、穏やかな声かけや静かな環境のほうが安心につながります。
生後2ヶ月は、育児のなかでも印象に残りやすい時期です。赤ちゃんの笑顔が増え、親の働きかけに応えてくれるようになります。
2ヶ月 赤ちゃん 笑う いつ、と気になる方も多いでしょう。新生児期にみられる、眠っているときの反射的な笑顔とは異なり、生後1〜2ヶ月頃からは、人の顔や声かけに反応して笑う「社会的微笑」がみられるようになります。
こちらが笑いかけると笑い返す。優しく話しかけると口元がほころぶ。そんな笑顔は、赤ちゃんが人とのやりとりを楽しみ始めたサインです。
ただし、ちょうど生後8週で笑うとは限りません。早めに笑う子もいれば、もう少しゆっくりの子もいます。顔を見たり、声に反応したりする様子が少しずつ増えているなら、焦らず見守りましょう。
生後2ヶ月で声を立てて笑う赤ちゃんもいますが、本格的な笑い声はもう少し先になることも多いです。それでも、息を漏らすような笑い声や、興奮したときの「きゃっ」という声が聞かれることはあります。
赤ちゃんは顔だけでなく、全身で気持ちを表します。
一見するとにぎやかな動きですが、赤ちゃんなりの立派なコミュニケーションです。
親やいつもお世話をしてくれる人の抱っこで、早く落ち着くように感じることがあります。声を聞くと表情がゆるんだり、朝の決まった声かけでよく笑ったりすることもあるでしょう。
これは甘やかしや、人見知りの始まりではありません。安心できる大人との関係をつくっている途中です。信頼できる人がそばにいるからこそ、赤ちゃんは周囲の世界に目を向けられるようになります。
生後2ヶ月の赤ちゃんは、まだ言葉を話しません。それでも、声、表情、手足の動き、泣き方を使って、たくさんのことを伝えています。
生後2ヶ月頃から、「あー」「うー」「えー」といった母音のような声をよく出すようになる赤ちゃんがいます。おむつ替えのとき、メリーを見ているとき、昼寝から起きたあとなどに、かわいらしい声が聞こえてくるかもしれません。
「ぐー」「んー」のように、子音が混ざったような音が出ることもあります。まだ意味のある言葉ではありませんが、声を出す練習の始まりです。
赤ちゃんに話しかけたあと、少し間をあけてみてください。「うー」と声を返したり、目を丸くして見つめたり、手足を動かしたりすることがあります。これが、会話の最初の往復です。
赤ちゃんの声をまねして返すのもおすすめです。最初は少し照れるかもしれませんが、赤ちゃんがまた声を出してくれると、親子のやりとりがぐっと楽しくなります。
生後2ヶ月頃になると、親のほうも赤ちゃんの泣き方の違いに気づきやすくなります。お腹がすいたとき、眠いとき、抱っこしてほしいとき、おむつが気持ち悪いときでは、声の調子や泣き出すタイミングが違うように感じることがあります。
すべてをすぐに聞き分けられなくても大丈夫です。毎日一緒に過ごすうちに、少しずつ「この泣き方は眠そう」「これは授乳かな」とわかってくるものです。
生後2ヶ月の認知の発達は、複雑なことを考えるというより、日常にある繰り返しに気づくことから始まります。見えるもの、聞こえる音、心地よい感覚が少しずつ結びついていきます。
授乳クッションを出すと手足を動かす、哺乳瓶を見ると口を探すような動きをする、といった様子がみられることがあります。これは、赤ちゃんが日々の流れを少しずつ覚え始めているサインです。
授乳前にわくわくしたように足を動かしたり、泣いたりするのは、「これから飲める」と期待しているからかもしれません。まだ首がしっかりすわっていない時期でも、赤ちゃんは毎日の経験をちゃんと積み重ねています。
生後2ヶ月の赤ちゃんにとって、自分の手はとても不思議な存在です。顔の前にかざしてじっと見たり、口に持っていったりする姿がよくみられます。
ときには自分の手が顔に当たり、びっくりしたような表情をすることもあるでしょう。手を見つけることは、これから物をつかむ、触る、口で確かめる、気持ちを落ち着けるといった行動につながる大切な一歩です。
2ヶ月 赤ちゃん 発達チェックは、できた・できないを判定するものではありません。今できることと、これから数週間で見られるかもしれない変化を知るための参考にしてください。
音にまったく反応しない、視線が合いにくい状態が続く、飲みが極端に悪い、体が常に強く反り返る、ぐったりして動きが少ないなど、気になることがある場合は、かかりつけの小児科や自治体の保健センターに相談してください。保護者の「いつもと違う」という感覚も大切です。
これからの数週間で、赤ちゃんの個性はますます見えてきます。うつぶせ遊びで頭を持ち上げる時間が長くなったり、首がより安定してきたり、おもちゃに向かって意識的に手を伸ばしたりすることがあるでしょう。
声を出すやりとりもさらに増え、鏡に映る顔を見て笑ったり、自分の指に夢中になったりするかもしれません。親の歌や変顔に、思わず声を立てて笑ってくれる日も近づいています。
新生児期は少しずつ過ぎ、赤ちゃんは見て、聞いて、感じて、家族の毎日のリズムを覚えていきます。もちろん、授乳も昼寝も抱っこも、まだまだたっぷり必要です。そのなかで少しずつ、「この子らしさ」が見えてくる時期です。