生後6週ごろって、意外と親をびっくりさせるタイミングです。まだまだ「新生児」のイメージなのに、急に起きている時間が増えて、表情もはっきりしてきて、「あ、ちゃんとしたひとなんだ」と感じることも多い時期。
このころになると、赤ちゃんの発達の変化が目に見えて分かるようになり、
「生後6週の赤ちゃんってなにができるの?」
「うちの子、これって普通?」
と気になる方も多いと思います。
ここでは、日本の育児環境を前提に、生後6週間前後に見られやすい赤ちゃんの発達について、1日の様子やチェックしておきたいポイント、受診の目安などをまとめました。
もちろん、赤ちゃんのペースは一人ひとり違います。あくまで「よくある目安」として、気楽に読んでみてください。
この頃の赤ちゃんは、からだつきがどんどん変わっていきます。
生後1週目の写真と見比べると、「新生児っぽさ」が薄れて、ほっぺや手足がふっくらしてきたと感じる方も多いはずです。
このころの大きな変化のひとつが、首の発達です。
完全な「首すわり」は生後3〜4か月ごろですが、生後6週ごろから、少しずつその準備が始まります。
生後6週間前後になると、
うつぶせにすると、マットに胸を押しつけるようにして、首を「えいっ」と持ち上げてはコテンと下ろす、を繰り返すことも。
まさにこれが、生後6週の赤ちゃんに期待される**うつぶせ練習( tummy time )**の典型的な姿です。
生後6週の首の発達を助けるコツは、
うつぶせが大嫌いで、置いた瞬間から大泣きという生後6週の赤ちゃんも少なくありません。
そんなときは、1分だけを1日に数回からで大丈夫。ほんの少しでも首や肩の筋トレになり、長い目で見ると大きな差につながります。
生後6週前後から、
まだグイッと押し上げる力はありませんが、
といった様子が見られることがあります。
赤ちゃんにとっては、
といった小さな「実験タイム」です。
この上半身の力は、のちの「寝返り → おすわり → ハイハイ → つかまり立ち」へとつながっていく、長い発達のスタート地点です。
まだ前腕で支えられなくても、生後6週ではまったく問題ありません。
生後6週の赤ちゃんができることリストはあくまで目安。テストではないので、毎日のうつぶせ練習と安全な床での遊びを続けていれば大丈夫です。
生後すぐの頃に多かった、ビクッと大きく腕を広げるモロー反射。
生後6週ごろになると、少しずつ動きがなめらかに変わってきます。
例えば、
といった変化です。
これは、赤ちゃんの神経系が成熟してきて、自分のからだを少しずつコントロールしはじめているサインでもあります。
この時期はぜひ、
など、「遊び」を通して生後6週間の発達を感じてみてください。
生後6週くらいまでに、多くの赤ちゃんは出生時から1.0〜1.5kg前後体重が増えることが多いとされています。
もちろん個人差があり、これより多い子も、ゆっくりめの子もいます。
日本では、母子健康手帳の成長曲線をもとに、
といった点がチェックされます。
生後6週の時点で出生時より1〜1.5kgほど増えていれば、一般的な生後6週間の発達の目安には十分入っています。
もし増え方が少ない場合も、授乳の仕方やミルクの量を少し見直せばよいことが多く、「自分のせい」と思い詰める必要はありません。
心配なときは、
などを、かかりつけ小児科や助産師さん、市区町村の保健師さんに遠慮なく相談してみてください。
他の赤ちゃんと体重を比べたくなる時期ですが、**1回の数字よりも「増え方のパターン」**が大事です。
太め、細めなど、生まれつきの体つきもそれぞれ違います。
新生児の視力はまだまだ未熟ですが、この6週間ほどでかなりのスピードで発達していきます。
生後6週ごろになると、「あ、目で追っているな」と分かる場面も増えてきます。
この頃、多くの保護者の方が気づきやすいのは、
例えば、
といった様子が見られることがあります。
「真ん中をまたいで追えるか」というのも、生後6週以降に出てくるポイントのひとつです。
左右どちらか片側だけでなく、顔の正面を通って反対側まで目で追えるかどうかは、のちの手の動きや目と手の協調にもつながっていくとされています。
**赤ちゃんの視力の発達(生後6週ごろ)**を助けるには、
といった遊びが有効です。
途中で目をそらしたり、すぐ飽きてしまうことも普通です。
数秒できれば十分、くらいの気持ちで「短時間の遊び」として取り入れてみてください。
生まれたばかりの赤ちゃんは、20〜25cm前後がいちばん見えやすいと言われています。抱っこしている大人の顔との距離がちょうどそれくらいです。
生後6週ごろになると、多くの赤ちゃんで、
そのため、
といった様子が出てくることがあります。
おむつ替えのスペースなど、毎日必ず赤ちゃんを寝かせる場所の近くに、
など、はっきりした模様のカードや布を貼っておくと、生後6週の赤ちゃんの視力発達を自然な形でうながすことができます。
この時期の赤ちゃんは、
など、「色の境界線」や「明るさの差」にじっと目を向けていることがよくあります。
「こっち向いてほしいのに、なぜか天井ばかり見ている…」というのは、親あるある。
決して無視しているわけではなく、今の赤ちゃんの目には、その境目が一番面白く見えるだけなのです。
日本でも人気のある白黒絵本や高コントラストのおもちゃが「赤ちゃん受け」するのは、この発達段階とぴったり重なっているからです。
多くの保護者が密かに楽しみにしている生後6週前後の大きな変化が、社会的笑顔です。
生後まもなくから、寝ているときに口元がふっとゆるむ「ねんね笑い」はよく見られます。これは反射的な動きです。
生後6週〜2か月ごろになると、その笑顔が少し変わってきます。
こうした笑顔は、いわゆる**「社会的笑顔」**と呼ばれます。
「この人、知ってる」「安心する」という、赤ちゃんなりの気持ちが表情に出てきたサインとも言われています。
「赤ちゃん 社会的笑顔 いつから?」とよく検索されますが、ぴったり生後6週というわけではなく、5〜8週くらいの幅があります。
まだ笑顔が少なくても、目でよく人を追ったり、声で落ち着いたりしていれば、発達としては心強いサインです。
最初の頃は、いちばん長く一緒にいる人に笑顔を見せることが多いですが、生後6週ごろから少しずつ、
など、他の家族にも笑顔を見せるようになってきます。
また、
といった場面も出てくるかもしれません。
これは、赤ちゃんが少しずつ
「人と関わるのは楽しいことだ」
と学んでいる証拠です。
生後6週ごろの赤ちゃんは、嬉しいときや安心したとき、顔だけではなく全身で気持ちを表現します。
例えば、
など、全身を使って「わーい!」と言っているような動きです。
大人としては、
といったシンプルな反応で十分です。
こうした小さなやりとりの積み重ねが、赤ちゃんの脳の発達や、安心感(愛着)の土台づくりにつながります。
この頃も、赤ちゃんにとって一番のコミュニケーション手段は「泣くこと」です。
とはいえ、生後6週あたりから、泣き声以外の音も少しずつ増えてきます。
生後6週〜2か月ごろ、多くの赤ちゃんで増えてくるのが**クーイング(喃語のごく初期)**です。
よく聞かれる音としては、
のような、やわらかい母音中心の声です。
こうした声は、
に出やすい傾向があります。
このクーイングは、ことばの発達の第一歩です。
自分の声を出したり、響きを感じたりしながら、「声を出すっておもしろい」と赤ちゃんは学んでいます。
クーイングを促したいときは、
といった関わりがおすすめです。
「あー」「うー」だけの会話でも、ちゃんとしたコミュニケーションの練習になっています。
生後6週の赤ちゃんの中には、大人が話しかけたあと、
という、簡単な「順番取り」のような流れが出てくる子もいます。
ここで大事なのは、**「話したあとに少し黙る」**ということ。
大人が間を空けずに話し続けると、赤ちゃんが自分の声を出すタイミングをつかみにくくなります。
例えば、
のように、「一言 → 間」のセットを意識してみると、クーイングが増えてくる赤ちゃんもいます。
この「順番に話す」経験は、将来の会話の基本にあたる力です。
まだ言葉は分からなくても、「自分の声を聞いてくれる人がいる」という安心感にもつながります。
生後1か月健診も終わり、少し家での生活に慣れてきた一方で、
「寝ない」「ずっと抱っこ」「夕方になると大泣き」など、悩みが増えるのも生後6週前後の特徴です。
多くの生後6週の赤ちゃんは、1回のお昼寝とお昼寝の間に、45〜75分くらい起きていられると言われています。
この「起きている時間」には、授乳している時間も含まれます。
眠くなってきたサインとしては、
などがあります。
タイミングを逃してしまうと、
といった「寝ぐずり」が強くなり、寝つきも悪くなりがちです。
時計とにらめっこする必要はありませんが、
「起きてから1時間くらいで眠くなりはじめることが多いかな」
くらいのゆるい目安を持っていると、少し先回りして落ち着いた環境を用意してあげやすくなります。
生後6週ごろによくある流れは、
というシンプルなパターンです。
生後6週間の赤ちゃんは、まだまだ大人のような「決まった生活リズム」には程遠いです。
それでも、前よりは少しだけパターンが見えやすくなる頃でもあります。
例えば、
と感じ始める親御さんもいるかもしれません。
きっちり時間で区切ったスケジュールを作る必要はなく、むしろ生後6週では厳密なタイムテーブルは負担になることが多いです。
数日だけノートやアプリに授乳やお昼寝の時間を書き出してみると、「なんとなくのリズム」が見えやすくなり、保健師さんや小児科で相談するときにも役立ちます。
生後6週前後で多くの家庭が経験するのが、夕方以降の強いぐずりや泣きが続く時間。
日本でも、いわゆる「黄昏泣き(たそがれ泣き)」と呼ばれることがあります。
この時間帯には、
といった状態になりがちです。
海外の研究でも、生後2〜3か月にかけて泣きのピークがあり、生後6〜8週あたりで一番泣きやすいと言われています。その後、少しずつ落ち着いてくる傾向があります。
この時間帯に試しやすい工夫としては、
それでも「つらい」と感じるのは当然です。
イライラや不安が限界に近づいたら、
といった「自分を守る行動」も、とても大切な育児の一部です。
泣き方がいつもと違う、本当に苦しそう、熱がある、ミルクや母乳をほとんど飲まない、顔色が悪いなど、「いつものぐずりと違う」と感じるときは、
迷わずかかりつけ小児科や、夜間・休日なら小児救急電話相談(#8000)などに相談してください。
日本では、1か月健診(産院または小児科で行われることが多い)と、市区町村が実施する**乳児健康診査(おおむね生後3〜4か月)**がよく知られています。
生後6週ごろはちょうどその間の時期で、
1か月健診の再診や、気になることがあればかかりつけ小児科で相談するよいタイミングです。
健診や診察では、医師や看護師が、
などを確認します。
自宅で気になっている点があれば、メモしておいて診察のときに質問してみましょう。例えば、
など、どんな小さなことでも聞いてかまいません。
日本では、生まれてすぐの入院中や退院前後に新生児聴覚スクリーニングを実施している産院が多いです。
ただ、事情により受けられなかったり、再検査が必要と言われたままになっている場合もあります。
聴覚は、ことばやコミュニケーションの発達に深くかかわる大事な感覚です。
もし、
という場合は、
などして、生後早めのうちに確認しておくと安心です。
多くの生後6週の赤ちゃんは、ここまでに紹介したことのいくつかを、ゆっくりマイペースに達成していきます。
すべてに当てはまらなくても、それだけで心配する必要はありません。
とはいえ、生後6〜8週ごろに、次のような様子が続く場合は、一度小児科や保健師さんに相談するのをおすすめします。
心配になったときは、「心配しすぎかな」と自分を責める必要はありません。
一緒に暮らしている保護者だからこそ気づける変化もたくさんあります。
受診して「大丈夫ですよ」と言われるだけでも、気持ちがぐっと楽になることがあります。
最後に、**「生後6週の赤ちゃんはなにができる?」**をざっくり振り返るための一覧です。
あくまで目安なので、「半分くらい当てはまるかな」くらいでも十分です。
からだ・運動
視力・目の動き
社会性
コミュニケーション
行動・1日のリズム
このうちいくつかが当てはまり、以前より目が合いやすくなった、表情が豊かになってきたと感じられれば、生後6週間の発達としては大きな一歩を踏み出していると言えます。
うまくいかない日が続くこともあるし、他の赤ちゃんと比べて不安になることもあるかもしれません。
そんなときこそ、小児科や保健センター、助産師外来など、専門家の目を借りて大丈夫です。
生後6週は、親にとっても赤ちゃんにとっても、まだまだスタートしたばかりの育児の時間。
授乳や寝かしつけでくたくたになりながらも、赤ちゃんは日々、静かに、でも確実に大きな変化を積み重ねています。
ある日ふと、「これぞ社会的笑顔」という一枚の笑顔が撮れる日が来ます。
その瞬間、夜中の授乳も、黄昏泣きに付き合った長い時間も、「がんばってよかったな」と感じられるはずです。