おしゃぶりは必要?メリット・デメリット、使い方と卒業の目安をわかりやすく解説

おしゃぶりは必要?赤ちゃんの安全、授乳への影響、メリット・デメリットと卒業時期ガイド、使い方のルールとトラブル対策まで

おしゃぶりは小さな育児グッズですが、意見が分かれやすいものの一つです。「寝かしつけがぐっと楽になった」という声がある一方で、「母乳育児に影響するのでは」「歯並びが心配」と不安に思う方もいるでしょう。産院で赤ちゃんの採血時に使われることもあれば、家族から使用を止められることもあるかもしれません。

では、**赤ちゃんにおしゃぶりは必要なのでしょうか。**答えは、必ずしも必要ではありません。おしゃぶりを使わずに元気に育つ赤ちゃんもたくさんいます。ただし、正しいおしゃぶりの使い方を知っていれば、育児を助けてくれる便利な道具になることもあります。大切なのは、無理に使わせることではなく、おしゃぶりのメリット・デメリットを理解し、その子と家庭に合うかを考えることです。

先に結論:おしゃぶりは、ルールを守れば役立つことがある

赤ちゃんには、生まれつき吸う力と「吸いたい」という欲求があります。授乳が必要なときもありますが、おなかが満たされていても、安心するために吸いたがることがあります。こうした、栄養をとる目的ではない吸啜を「非栄養性吸啜」といいます。

おしゃぶりは、空腹ではない赤ちゃんの吸いたい気持ちを満たす選択肢です。気持ちを落ち着かせたり、おしゃぶりによる寝かしつけに役立ったり、短い処置の痛みをやわらげたりする場合があります。

海外では、米国小児科学会によるAAP 推奨 おしゃぶりとして、母乳育児が軌道に乗った後、昼寝や就寝時におしゃぶりを提示することが勧められています。睡眠中のおしゃぶり使用と乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク低下には関連があると報告されているためです。

ただし、おしゃぶりがSIDSを防ぐと断言できるわけではありません。日本でも、赤ちゃんをあおむけに寝かせること、硬く平らな寝具を使うこと、ベッド内に柔らかい寝具やぬいぐるみを置かないことなど、安全な睡眠環境を整えることが基本です。

おしゃぶりのメリット:期待できる効果

おしゃぶりとSIDSリスクの関係

おしゃぶりの効果としてよく知られているのが、睡眠中の使用とSIDSリスクの関連です。AAPは、赤ちゃんを昼寝や夜の睡眠に寝かせる際、おしゃぶりを提示することを勧めています。研究では、睡眠時におしゃぶりを使う赤ちゃんは、SIDSの発生リスクが低い傾向にあるとされています。

なぜリスクが下がるのかは、まだはっきりわかっていません。眠りが深くなりすぎにくい、気道が保たれやすいなど、いくつかの可能性が考えられています。家庭で実践するなら、次の点を意識しましょう。

  • 寝かせるときにおしゃぶりをくわえさせる
  • 眠った後に外れても、無理に付け直さない
  • 嫌がる赤ちゃんには押しつけない

おしゃぶりを使っていても、安全な睡眠環境は必要です。ぬいぐるみ、タオル、ひも、クリップなどをおしゃぶりに付けたまま、寝床に入れるのはやめましょう。

吸いたいという自然な欲求を満たせる

授乳後にげっぷも出て、おむつもきれいなのに、赤ちゃんが手を口に持っていったり、口をもぐもぐさせたりすることがあります。これは必ずしも「母乳やミルクが足りない」という意味ではありません。

そんなとき、おしゃぶりは気持ちを切り替える助けになることがあります。ベビーカーやチャイルドシートでぐずるとき、夕方になると理由がはっきりしないまま泣くときにも、落ち着く赤ちゃんがいます。

「おしゃぶりで黄昏泣きやコリックは治る?」と聞かれることがありますが、治療になるわけではありません。それでも、吸う動きそのものが安心につながり、泣いている時間を乗り切りやすくなる場合はあります。

抱っこ、ゆらゆら揺らす、月齢に応じたおくるみ、散歩、そして空腹サインがあるときの授乳も大切です。おしゃぶりは、あくまで育児の選択肢の一つと考えましょう。

赤ちゃんの痛みをやわらげることがある

おしゃぶりは、短時間の痛みを伴う場面でも使われることがあります。かかとからの採血、採血、予防接種などの際に吸っていると、赤ちゃんの苦痛の表れが少なくなり、処置後に落ち着きやすいことがあります。

医療機関では、授乳や肌と肌のふれあい、医療者の判断によるショ糖液などと合わせて、おしゃぶりによる痛み緩和が行われることもあります。

ただし家庭では、おしゃぶりに砂糖やシロップ、はちみつを付けるのは厳禁です。特に1歳未満の赤ちゃんには、乳児ボツリヌス症の原因となるおそれがあるため、はちみつを与えてはいけません。

おしゃぶりのデメリットと注意点

おしゃぶりは危険なの?」という問いに、単純に良い・悪いでは答えられません。気をつけたい点はありますが、多くは使い始める時期や、長く使い続けることに関係します。

おしゃぶりによる乳首混乱と母乳育児

新生児期に最も気になるのが、母乳とおしゃぶりの関係でしょう。母乳を飲む動きとおしゃぶりを吸う動きは同じではありません。赤ちゃんによっては問題なく使い分けられますが、授乳が安定する前に導入すると、うまく吸えなくなることがあります。

生まれて間もない時期は、赤ちゃんが乳首を深くくわえること、母乳を飲み取ること、空腹を伝えることを学んでいる段階です。お母さんの母乳分泌も、授乳や搾乳で乳房から母乳が出る刺激によって整っていきます。

空腹なのにおしゃぶりでやり過ごすことが続けば、授乳回数が減り、母乳量に影響する可能性があります。これが、おしゃぶり 乳首混乱や授乳トラブルにつながる理由です。

そのため、母乳 おしゃぶり いつからと迷う場合は、授乳が安定する生後4〜6週ごろを一つの目安にするとよいでしょう。次のような状態なら、比較的スムーズに進んでいると考えられます。

  • 授乳時に痛みが少なく、赤ちゃんが深くくわえられている
  • 体重が順調に増えている
  • 飲んでいる最中にごくごくという嚥下が確認できる
  • 月齢に見合った尿や便が出ている
  • 授乳回数は多くても、飲み方のリズムがつかめてきた

乳首の痛み、体重増加不良、母乳不足、吸着の浅さなどがある場合は、おしゃぶりを始める前に小児科医、助産師、母乳外来などへ相談しましょう。

空腹サインを見逃すことがある

とくに低月齢の赤ちゃんでは、授乳間隔を無理に延ばすためにおしゃぶりを使うべきではありません。新生児は1日8〜12回、あるいはそれ以上授乳することもあります。成長期には急に頻回授乳になることも珍しくありません。

時計だけでなく、赤ちゃんの様子を見ることが大切です。起きて口を開ける、顔を左右に向けて探す、唇を動かす、手を口に持っていくといった行動は、早めの空腹サインです。泣くのは空腹が進んだ後のサインでもあります。

赤ちゃんが乳首を探すような様子を見せているなら、まず授乳を優先しましょう。

生後6か月以降は中耳炎との関連に注意

おしゃぶり 中耳炎の関係も、知っておきたいポイントです。生後6か月を過ぎるころから、おしゃぶりの使用と急性中耳炎の起こりやすさに関連がみられるという報告があります。

理由は完全には解明されていませんが、吸う動きが耳の圧力や耳管の働きに影響し、中耳に液体がたまりやすくなる可能性が指摘されています。

だからといって、生後6か月になったらすぐにすべて処分しなければならないわけではありません。成長に合わせて日中の使用を減らし、昼寝や就寝前、強く不安があるときだけにするのが現実的です。

中耳炎を繰り返す場合は、おしゃぶりの使用頻度を下げたほうがよいか、小児科で相談してみましょう。

長期間の使用は歯並びに影響することがある

乳児期におしゃぶりを使っただけで、すぐに歯並びが悪くなるわけではありません。心配なのは、幼児期に入っても頻繁に、長時間使い続けるケースです。長く吸う習慣が続くと、かみ合わせや口の中の形の発達に影響する可能性があります。

リスクは、使う時間と期間が長いほど上がります。寝る前だけ短時間使う子と、一日の大半をくわえている子では、影響が異なります。

そのため、就園前までに少しずつ卒業できるよう、早めに見通しを立てておくと安心です。

よくあるおしゃぶりの誤解

「おしゃぶりを使うと、必ず母乳育児がうまくいかなくなる」

これは正しくありません。おしゃぶり 乳首混乱が起こりやすいのは、授乳が確立する前に使い始めた場合や、必要な授乳の代わりにおしゃぶりを使う場合です。

母乳育児が順調に進み、赤ちゃんの空腹に応じて授乳できていれば、おしゃぶりを使っただけで必ず卒乳が早まったり、授乳が困難になったりするわけではありません。

大事なのは、導入のタイミングと、赤ちゃんのサインを見ながら授乳することです。

「一度使うと、ずっとやめられない」

これも心配しすぎなくて大丈夫です。おしゃぶりは習慣になりやすいものですが、一生続くものではありません。子どもは成長とともに、眠る方法や気持ちを落ち着ける方法を少しずつ身につけていきます。

生後6〜12か月ごろから使用場面を減らしていくと、比較的スムーズに移行できる家庭も多いでしょう。

「おしゃぶりに頼るのは、手抜き育児」

そんなことはありません。おしゃぶりは育児の良し悪しを決めるものではなく、必要に応じて使える道具です。たくさん抱っこをして、授乳し、赤ちゃんの気持ちに寄り添いながら、おしゃぶりを使うこともできます。

新生児のお世話は、想像以上に大変です。清潔で安全なおしゃぶりが、長い移動や寝かしつけの助けになるなら、それは手抜きではなく、家庭に合った工夫です。

健康的に使うためのおしゃぶりルール

使うと決めたら、基本のおしゃぶりルールを守ることで、デメリットを抑えやすくなります。

おしゃぶりはいつから使う?

母乳育児の場合、おしゃぶり いつから始めるかは慎重に考えましょう。一般的には、授乳が安定する生後4〜6週ごろが目安です。ミルク中心の場合はもう少し早くから使えることもありますが、空腹サインを優先する点は変わりません。

赤ちゃんが受け入れるなら、昼寝や夜の就寝時に提示してみましょう。眠った後に外れた場合は、何度もくわえ直させる必要はありません。

清潔と安全を守る

次の点を守って使いましょう。

  • 初めて使う前に洗浄・消毒し、その後も製品表示に従って清潔にする
  • ひび割れ、べたつき、破れ、変色などがあるものは交換する
  • 砂糖、はちみつ、ジャムなど、甘いものを付けない
  • 首、手首、手、ベビーベッドにひもで結びつけない。窒息や首締まりのおそれがある
  • 就寝中は、長いストラップやクリップを衣類に付けたままにしない
  • 月齢に合ったサイズの、できれば一体型のおしゃぶりを選ぶ
  • 歯並びに配慮した「出っ歯防止」や「矯正用」とされる形も選択肢になるが、長期使用の影響まで防げるわけではない
  • 赤ちゃんが嫌がるなら、無理に使わせない

おしゃぶりはいつやめる?卒業の目安

おしゃぶり いつやめるかに、絶対の正解はありません。ただ、生後6〜12か月ごろから使う場面を少しずつ絞ると、ほかの寝かしつけ方法へ移りやすくなります。

まずは日中の使用を減らし、昼寝と夜の就寝時だけにする方法がおすすめです。その後は、子守歌、背中をさする、抱っこ、絵本など、おしゃぶり以外の安心できる習慣を作っていきます。

歯並びへの影響を抑え、卒業を難しくしないためにも、2歳ごろまでにやめることを目標にするとよいでしょう。急に取り上げて対立するより、子どもの成長に合わせて段階的に減らすほうが進めやすい場合が多いです。

おしゃぶりは万能ではなく、使ったからといって危険なものでもありません。始める時期を見極め、清潔と安全を守り、適切な時期に卒業へ向かえば、赤ちゃんとの毎日を支える小さな助っ人になってくれます。


このコンテンツは情報提供のみを目的としており、医師、小児科医、または他の医療専門家からのアドバイスの代わりとして使用すべきではありません。ご質問やご不明な点がある場合は、医療専門家にご相談ください。
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