赤ちゃんの泣き声は、胸がぎゅっと締めつけられるように感じるものです。何をしても赤ちゃんが泣き止まないと、焦ったり、自分を責めたりしてしまうかもしれません。
でも、赤ちゃんが泣くのは、子育てがうまくいっていない証拠ではありません。泣くことは、赤ちゃんにとって大切なコミュニケーション手段です。 慣れてくると、その子なりのパターンが少しずつ見えてきます。それまでは、落ち着いて確認できる順番を決めておくと、赤ちゃんの気持ちを受け止めやすくなります。
赤ちゃんは言葉で「おなかがすいた」「眠い」「暑い」「抱っこしてほしい」と伝えられません。体の不快感や安心したい気持ちを、泣くことで知らせています。
理由がすぐ分かることもあれば、夕方から夜にかけて何時間もぐずるときのように、はっきりしないこともあります。
赤ちゃんがぐずる原因として多いのは、次のようなものです。
赤ちゃんは、一度に複数の理由で泣いている場合もあります。空腹で泣いているうちに眠くなり、疲れ切ってさらに泣くことも珍しくありません。ひとつの正解を当てるというより、可能性を順にやさしく確かめていきましょう。
「泣き声だけで気持ちが分かればいいのに」と思う方は多いでしょう。けれど、赤ちゃんの泣き声 見分け方に、すべての子に当てはまる辞書のような答えはありません。
泣き方は日によっても変わります。それでも、声の高さやリズム、顔つき、手足の動きなどを一緒に見ると、手がかりになることがあります。新生児 泣き声 見分け方として、まずは以下の傾向を知っておくと安心です。
赤ちゃん お腹 空いた 泣き声は、いきなり大泣きではなく、「ふぇ、ふぇ」「んー」と小さく訴えるように始まることがあります。授乳まで時間が空くほど、声量や激しさが増していく傾向があります。
泣く前に、次のような空腹サインを見せることもあります。
泣き始めてからではなく、こうした早めのサインに気づけると、赤ちゃんも保護者も落ち着いて授乳しやすくなります。
赤ちゃん 眠い 泣き方は、甘えるような声や不機嫌そうなうなり声から始まることがあります。目をこする、あくびをする、視線をそらす、ぼんやり一点を見つめるといった様子も眠気のサインです。
眠いのに手足をばたばたさせたり、急にテンションが高くなったように見えたりする赤ちゃんもいます。新生児の起きていられる時間は短く、45分から1時間ほどで眠くなることもあります。大泣きになる前に、部屋を暗くする、抱っこするなど、寝かしつけを始めてみましょう。
赤ちゃん 痛み 泣き声は、普段より甲高い、鋭い、切迫したように聞こえることがあります。ぐずぐずする段階がなく、突然激しく泣き出す場合もあります。
足をおなかに引きつける、背中を大きく反らせる、顔色が悪い、なかなかあやしても落ち着かないといった様子があれば、全身を確認してください。一度だけ大きな声で泣いたからといって、すぐに重い病気とは限りません。ただし、「いつもの泣き方と違う」と感じた保護者の直感は大切です。
退屈している赤ちゃんは、声をかけたり抱っこしたりすると一時的に落ち着き、またぐずることがあります。一方、刺激が多すぎる場合も似たような泣き方になりますが、テレビの音や人の声、照明、外出の疲れなど、周囲の環境が負担になっていることがあります。
顔を背ける、こぶしをぎゅっと握る、手足の動きがぎこちない、まばたきが増える、顔が赤くなるといった様子が見られたら、刺激を減らしてみてください。薄暗く静かな部屋で抱っこし、一定のリズムで背中をさするだけで落ち着くこともあります。
赤ちゃんが激しく泣いていると、何からすればいいのか頭が真っ白になりがちです。ひとつずつ確認する順番を決めておくと、慌てにくくなります。
おなかはすいていない?
前回の授乳から時間が空いている、空腹サインがある場合は授乳してみましょう。母乳の新生児は1日に8回から12回以上飲むこともあり、夕方などに授乳が集中することもあります。
おむつは大丈夫?
おしっこや便のほか、テープが食い込んでいないか、肌が赤くなっていないかも見てください。
暑すぎる・寒すぎることはない?
手足は冷たくなりやすいため、胸元や首の後ろに触れて確認します。眠るときの室温は20〜25℃程度を目安に、季節や住環境に合わせて調整しましょう。汗をかいているなら、着せすぎの可能性があります。
眠くない?
照明を落とし、テレビやスマートフォンの音を消して、いつもの寝かしつけに入ります。眠気のサインが見えたら、完全に眠くなり切る前に始めるのがポイントです。
げっぷやおなかの不快感はない?
授乳の途中や後に縦抱きにして、背中をやさしくさすったり軽くトントンしたりします。落ち着いているときは、足をゆっくり自転車こぎのように動かしたり、おへその周りを時計回りにそっとなでたりするのもよいでしょう。
刺激が多すぎない?
静かな部屋へ移動し、照明を落とし、周囲の人にも少し距離を取ってもらいましょう。完全な無音にする必要はありませんが、予測できる穏やかな環境が助けになります。
ただ抱っこしてほしいのかも?
抱き上げて、胸に寄せ、ゆっくり声をかけてみてください。赤ちゃんは、大人の呼吸やぬくもりを借りて気持ちを整えています。
ひと通り確認しても理由が分からないことはあります。それでも大丈夫です。基本的な欲求が満たされていても、赤ちゃんには「眠るために安心させてほしい時間」があります。
すべての赤ちゃんに効く、万能な方法はありません。赤ちゃんのその日の状態によっても反応は変わります。基本を押さえたうえで、いくつかの赤ちゃん 泣き止ませる テクニックを組み合わせてみましょう。
月齢が低いうちは、まず空腹を確認します。母乳、ミルク、搾乳した母乳などを与えてみましょう。新生児期に授乳回数が多いことは珍しくありません。
授乳のたびに苦しそうに反る、むせる、激しく吐く、飲んでもすぐ泣くといったことが続く場合は、産院、助産師、自治体の保健師、小児科に相談してください。哺乳の姿勢や量、吐き戻しなどについて、具体的な助言を受けられます。
肌着を外した赤ちゃんを、おむつだけの状態で保護者の胸にうつぶせ気味に乗せる「肌と肌のふれあい」は、泣いている赤ちゃんを落ち着かせる方法のひとつです。赤ちゃんの背中にはタオルや衣服をかけ、必ず大人が起きている状態で見守ります。
体温、心臓の音、呼吸、においを感じることで、赤ちゃんが安心しやすくなります。出生直後だけでなく、生後数週間から数か月たっても役立つ方法です。
おなかの中にいたころのような、包まれる感覚や一定のリズムが安心につながる赤ちゃんもいます。次の方法は、様子を見ながらひとつかふたつ試してください。
抱っこひもやスリングは、密着感と揺れが同時に得られるため、赤ちゃんが落ち着きやすいことがあります。夕方のぐずりや、抱っこを求める時間にも便利です。
使用時は、赤ちゃんの顔が常に見え、キスできる高さにあり、あごが胸につかず、背中がしっかり支えられていることを確認します。布で口や鼻が覆われないよう注意してください。抱っこひもの中で授乳する場合も、赤ちゃんの顔と姿勢を必ず確認できる状態にします。
雨音や換気扇のような一定の音で、急な生活音が気になりにくくなり、落ち着く赤ちゃんもいます。音楽のように曲調が大きく変わるものより、一定の環境音が向く場合があります。
音量は小さく、普通の会話程度を超えないようにしましょう。音源はベビーベッドから離して置き、赤ちゃんの頭の近くで大音量を流し続けないことが大切です。
リビングで何をしても赤ちゃんが泣き止まないときは、場所を変えてみましょう。ベランダや玄関先で外気に触れる、窓の外を一緒に眺める、近所をゆっくり散歩するなど、景色が変わるだけで泣き方が切り替わることがあります。
別の部屋へ移るだけでも構いません。赤ちゃんだけでなく、保護者の気持ちをリセットする時間にもなります。
寝る前の入浴で、体の緊張がゆるみ、落ち着く赤ちゃんもいます。湯温は38〜40℃程度のぬるめを目安にし、入浴前に着替えやタオルを準備しておきましょう。入浴中は、どんな短時間でも赤ちゃんから手を離してはいけません。
お風呂が苦手で、かえって泣き方が強くなる赤ちゃんもいます。その場合は無理に習慣化する必要はありません。
車の振動やベビーカーの一定の揺れで、赤ちゃん 夜泣きや夕方のぐずりが落ち着くこともあります。チャイルドシートやベビーカーのベルトは、月齢に合った方法で正しく装着してください。
チャイルドシートで眠った場合、帰宅後はできるだけ早く、あおむけで眠れる硬く平らな寝床へ移します。チャイルドシートは移動のためのものであり、日常的な睡眠場所には適していません。
はっきりした原因が見つからないのに、元気そうな赤ちゃんが長時間激しく泣く状態を「コリック」や「乳児疝痛」と呼ぶことがあります。一般には、1日に3時間以上、週に3日以上泣く状態が続くケースが目安とされます。
生後数週間ごろから始まり、生後6〜8週ごろに強くなり、3〜4か月ごろには自然に軽くなることが多いとされています。
コリックで見られることがある様子は、次のとおりです。
コリックは保護者の育て方が原因ではありません。市販の整腸剤、サプリメント、ミルクの変更などを試す前に、小児科や自治体の保健師、助産師、薬剤師へ相談しましょう。
次のような場合は、早めに医療機関へ相談してください。夜間や休日で判断に迷うときは、地域の小児救急電話相談 #8000 も利用できます。ぐったりしている、呼吸がおかしいなど緊急性が高い場合は、ためらわずに119番へ連絡してください。
赤ちゃんを毎日見ている人の気づきは大切です。相談して「大丈夫」と確認できるだけでも安心につながります。
授乳も、おむつ替えも、げっぷも、抱っこも、散歩も試したのに、まだ泣いている。そんなとき、怒り、焦り、悲しさ、投げ出したい気持ちが出てくることがあります。
これは珍しいことではありません。赤ちゃんの泣き声は、大人がすぐ反応するように強く感じるものです。つらいと感じることは、親として失格という意味ではありません。
限界が近いと感じたら、次のようにしてください。
安全な場所で泣いている赤ちゃんは、追い詰められた大人に抱かれ続けるより安全です。そして、赤ちゃんを激しく揺さぶることは絶対にしてはいけません。短時間でも重い脳の障害や命に関わる事故につながります。
赤ちゃんを泣き止ませる方法は、完璧なひとつの答えを見つけることではありません。観察して、応えて、うまくいかなければ別の方法を試す。その繰り返しです。赤ちゃんに必要なのは完璧な保護者ではなく、安全にそばにいて、苦しいときには助けを求められる大人です。